International Workshop on Security (IWSEC)
Best Paper Award 受賞
情報理工学研究科総合情報学専攻 太田・岩本研究室,崎山研究室の研究論文が,The 7th International Workshop on Security (IWSEC2012),2012年11月7日(水)~11月9日(金)で論文賞を受賞しました.
受賞論文は,NTT研佐々木氏との共同研究で,2012年11月9日(金)に福岡県福岡市で発表されました.
受賞理由
・韓国国内で実際に利用されている標準技術を評価した
・圧縮関数の非理想性という実利用に影響のある研究結果を達成した
・理論研究に留まらず、攻撃の実現性を計算機実験により確認した
受賞内容について
受賞論文
Yu Sasaki, Lei Wang, Yasuhiro Takasaki, Kazuo Sakiyama, and Kazuo Ohta, “Boomerang Distinguishers for Full HAS-160 Compression Function”
成果概要
本研究は、韓国政府により韓国国内で標準化されているハッシュ関数HAS-160に対し、その基幹部品である圧縮関数が理想的な安全性を持たないことを世界で初めて示したものである。具体的には、HAS-160に対して、通常の衝突(出力の一致)に準ずる発見困難さを有する二次衝突(注1)を、理想的な関数よりも高速に発見できることを示す。ハッシュ関数を用いたいくつかのプロトコルでは、その安全性を圧縮関数の理想的な安全性に帰着している。従って、今後HAS-160をそのようなプロトコルで用いることは避けるべきである。本研究の理論的評価は、部分実験により検証されており、理論の正しさは裏付けられている。
注1:二変数(x,y)を入力とするハッシュ関数hに対する二次衝突とは、
h(x,y) xor h(x+a1,y+a2) xor h(x+b1,y+b2) xor h(x+a1+b1,y+a2+b2)=0
を満たす{(x,y),(a1,a2),(b1,b2)}のことです。